公開日 2024年09月05日
夏に多く発生する感染症は、手足口病、ヘルパンギーナ(夏かぜ)、咽頭結膜熱(プール熱)、RSウイルス感染症などです。症状があるときは、早めにかかりつけ医等の医療機関にご相談ください。
子どもを感染症から守るために、家族や周囲の大人もしっかりと感染症予防しましょう。予防の基本は、手洗い、うがい、十分な栄養・睡眠をとることです。日頃から体調管理に努めましょう。
手足口病
口腔粘膜及び手や足などに現れる水疱性の発疹を主症状とした急性ウイルス感染症です。
感染経路は、ひまつ感染、接触感染、糞口感染(ふんこう感染とは、便の中に排泄されたウイルスが口に入って感染すること)が知られています。4歳くらいまでの幼児を中心に夏季に流行が見られます。
潜伏期間
【3日から5日】
症状
- 口の中、手のひら、足底や足の甲などに2ミリメートルから3ミリメートルの小さな水疱ができます。また、発熱はかかった方の約3分の1にみられますが軽度であり、38度以下のことがほとんどです。
- まれに、幼児を中心とした髄膜炎などを起こすことがあります。
詳しくは、厚生労働省「手足口病」(外部サイト)
ヘルパンギーナ(夏かぜ)
発熱と口腔粘膜にあらわれる水疱性の発疹を特徴とした急性のウイルス性咽頭炎です。
主な感染経路は、ひまつ感染、接触感染を含む糞口感染です。発熱と口の中にあらわれる水ぶくれの発疹を特徴とした急性のウイルス性咽頭炎であり、いわゆる夏かぜの代表的疾患です。
毎年5月頃から増加し始め、7月頃にかけてピークを形成し、8月頃から減少します。
潜伏期間
【2日から4日】
症状
- 突然の38度から40度の発熱が1日から3日間続き、のどの強い痛み等が現れます。口の中に小さな水ぶくれができ、やがてただれます。
- 痛みによる不機嫌や食欲不振がみられ、脱水症を起こすこともあります。
- 乳幼児に多い病気です。
咽頭結膜熱(プール熱)
発熱、咽頭炎、結膜炎を主症状とする急性ウイルス性感染症です。
主な感染経路は、ひまつ感染、接触感染です。プールでの接触やタオルの共有により感染することもあるので、「プール熱」と呼ばれることもありましたが、近年ではタオルの共有が減った等の理由からプール利用における集団感染の報告は見られなくなってきています。
通常、6月頃から徐々に流行しはじめ、7月から8月にピークとなります。
潜伏期間
【5日から7日】
症状
- 38度から39度の発熱で発症し、のどの痛み、結膜の充血、目やになどの症状が3日間から5日間程度続きます。
- 小児に多い病気です。
RSウイルス感染症
RSウイルスの感染による呼吸器の感染症で、主な感染経路は接触感染とひまつ感染です。
生後1歳までに半数以上が、2歳までにほぼ100%のお子さんが1度は感染するとされています。症状は軽い風邪のような症状から重い肺炎まで様々で、乳児が感染した場合や重症化リスクの高い基礎疾患をもつ小児では細気管支炎、肺炎など重症化することがあり、特に注意が必要です。
潜伏期間
【2日から8日】
症状
- 発熱、鼻汁などの症状が数日続きます。
- 初めて感染する乳幼児の約3割では、咳が悪化し、喘鳴(ぜんめいとは、呼吸をするときに、ヒューヒュー、ゼーゼーなどと音がすること)、呼吸困難などが現れます。
RSウイルス感染症に注意しましょう(令和6年6月版)[PDF:484KB]
厚生労働省「RSウイルス感染症Q&A(令和6年5月31日改訂)」(外部サイト)
感染予防対策
帰宅後や食事の前、トイレの後には、流水と石けんによる手洗いを励行しましょう。
- 他の人とのタオルやハンカチの貸し借りは避けましょう。
- おもちゃ、手すりなどの日常的に触れるものは、こまめにアルコールなどで消毒しましょう。
- 鼻汁、咳などの症状がある場合は、マスク着用ができる年齢のお子さんや大人はマスクを使用しましょう。
- 症状が消失した後も、手足口病及びヘルパンギ-ナは、2から4週間(咽頭結膜熱は約1ヶ月)にわたり便の中にウイルスが排泄されますので、トイレ使用時やおむつ交換の際には注意が必要です。排泄物は適切に処理し、その後しっかり手洗いをしてください。
関連サイト
主な感染症の特徴や症状、予防対策については、栃木県ホームページ「感染症の基礎情報」(外部サイト)
腸管出血性大腸菌などのQ&Aは、厚生労働省ホームページ「その他の感染症」(外部サイト)
栃木県ホームページ「こども救急ガイドブック」(外部サイト)
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