公開日 2019年09月30日
定期報告制度の目的
劇場、百貨店、ホテル、病院、物販店舗、事務所など、不特定多数の人々が利用する建築物は、利用者の安全を確保するため、火災等が発生した場合、利用者が安全に避難できるよう建築されています。しかしながら、建築物の維持管理が適切に行われていないと、火災等が発生した際に、建築物が備えている本来の機能を発揮することができず、安全性が低下し、人的被害をもたらす災害を引き起こし、大惨事となる恐れがあります。災害は、いつ起こるかわかりません。このため、建築基準法では、定期的に資格者が調査・検査を行い、特定行政庁に報告することが義務づけられています。これが「定期報告制度」です。
定期報告制度とは
建築基準法第12条第1項及び第3項の規定により、建築基準法施行令で定められた特定建築物等及び市長が指定する特定建築物等の所有者(所有者と管理者が異なる場合は管理者)は、定期的に資格者にその建築物等を調査・検査させて、その結果を特定行政庁に報告しなければなりません。
定期報告をすべきであるのにしなかったり、虚偽の報告を行った場合は、罰則(100万円以下の罰金)の対象となります(建築基準法第101条)。
資格者とは
定期報告の調査・検査を行える資格者は次の資格を持っている者です。
調査・検査対象の資格 | 建築物 | 昇降機/遊戯施設 | 建築設備 | 防火設備 | ||
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一級建築士・二級建築士 |
〇 |
〇 |
〇 |
〇 |
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特定建築物調査員 |
〇 |
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昇降機等検査員 |
〇 |
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建築設備検査員 |
〇 |
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防火設備検査員 |
〇 |
定期報告の対象となる「建築物」
用途 | 政令及び市規則による指定規模等 | 報告間隔 | 報告時期 | |
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劇場、映画館 又は演芸場 |
地階若しくはF≧3階 A≧200平方メートル(客席部分に限る。) 主階が1階にないもので A>100平方メートル |
2年 |
検査済証の交付を受けた日の属する月から起算して報告間隔を超えない9月 次回以降、報告間隔を超えない9月 |
|
観覧場(屋外観覧場を除く。) 公会堂又は集会場 |
地階若しくはF≧3階 A≧200平方メートル(客席部分に限る。) |
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病院又は診療所 (患者の収容施設があるものに限る。) |
地階若しくはF≧3階 2階の床面積300平方メートル以上 (2階に患者の収容施設がある場合) |
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ホテル又は旅館 | 地階若しくはF≧3階 2階の床面積300平方メートル以上 A≧1,000平方メートル |
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児童福祉施設等 (高齢者等の就寝の用に供するものに限る。) |
地階若しくはF≧3階 2階の床面積300平方メートル以上 |
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百貨店、マーケット、展示場、キャバレー、カフェー、ナイトクラブ、バー、ダンスホール、遊技場、公衆浴場、待合、料理店、飲食店又は物品販売業を営む店舗 | 地階若しくはF≧3階 2階の床面積500平方メートル以上 A≧3,000平方メートル【避難階のみの場合】 |
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下宿、共同住宅、寄宿舎等 (高齢者福祉施設の就寝の用に供するものに限る。) |
地階若しくはF≧3階 2階の床面積300平方メートル以上 |
3年 |
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体育館(学校に付属するものを除く。) | F≧3階 A≧2,000平方メートル |
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博物館、美術館、図書館、ボーリング場、スキー場、スケート場、水泳場又はスポーツの練習場 | F≧3階 A≧2,000平方メートル |
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事務所その他これらに類するもの | F≧5階 かつ A>1,000平方メートル |
(注意)
1.F≧3階、F≧5階、地階若しくはF≧3階とは、それぞれ3階以上の階、5階以上の階、地下若しくは3階以上の階で、その用途に供する部分の床面積の合計が100平方メートルを超えるものをいいます。
2.Aはその用途に供する部分の床面積の合計をいいます。
3.新築の建築物は、検査済証の交付を受けた直後の時期については報告する必要はありません。(初回免除)
定期報告の対象となる昇降機等
昇降機等の種類(政令及び市規則による指定等) | 報告間隔 | 報告時期 | ||
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エレベーター(いす式階段昇降機及び段差解消機を含む。) (労働基準法対象のエレベーター及びホームエレベーターを除く。注意1、2) |
1年 |
検査済証交付月 次回以降毎年、検査済証交付月 |
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エスカレーター | ||||
小荷物専用昇降機 | ||||
遊戯施設等(観光用のエレベーター及びエスカレーターを含む。注意3) |
注意1 | 一戸建ての住宅又は長屋若しくは共同住宅の住戸に設けられたものを除く |
注意2 | 積載荷重が1トン以上の者で、労働基準法別表第1第1号から第5号までに掲げる事業の用に供される建築物の作業場の部分において、専ら生産過程の一部として原材料、製品等の運搬の用に供されるもの又は専ら搬送過程の一部として貨物等の運搬の用に供されるもの(専ら生産又は運搬の作業に従事する者が運搬のため乗り込むものを含む)を除く |
注意3
|
一般の交通の用に供されるものを除く |
定期報告の対象となる「防火設備」
用途 | 政令及び市規則による指定規模等 | 報告間隔 | 報告時期 | |
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定期報告対象建築物 |
随時閉鎖式のものに限る。 |
1年 |
検査済証の交付を受けた日以降の9月 次回以降毎年9月 |
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病院、診療所又は高齢者等の就寝の用に供する施設(200平方メートル以上) | ||||
定期報告の提出書類の様式について
定期報告の様式は、栃木県ホームページ定期報告の様式等についてからダウンロードできます。