公開日 2012年03月23日
作品名 KEEPER OF MEMORIES(思い出の番人)
作者名 デュシャン ペトロヴィッチ
設置場所 湯津上庁舎
作者コメント
これは吸取パッドと呼ばれる、風変わりな物の話しである。
それは、例えば契約書などの書類が書かれたり、サインされる時に使われる。
吸取パッドは、紙に残された余剰のインクを拭い取る。それが唯一の使い道だから、使い終わった後は元の場所にしまわれ、次に使われる時を待つ。
大切な出来事、悲しいこと、楽しいこと、時には涙なくして語れない想い出たちを、一体いくつそこに留めているのだろうか。
悲しみの涙も、喜びの涙も、わたしの代わりに集め取ってくれる物があればいい。
サインをして、この物語を終わりにしよう。あるいはそれは、新たな始まりになるかもしれない。
作品名 ホムラ
作者名 渡部 順子
設置場所 那須野が原ハーモニーホール
作者コメント
これまで、自然界に流れるエネルギーの胎動をテーマに石という素材を用いて表現し続けてきました。
しかし、縁あって最近雪国の山小屋に居を移し、いかに自分が自然というものを軽々しく口にしていたのかと思い知らされる毎日を過ごしています。
ホムラ=炎というと、ゴウゴウと火柱があがる様子を思い浮かべられるかもしれませんが、この作品は手をかざしたくなるような優しい炎のフォルムをイメージして制作しました。雪深い土地の人々が集う場所、家族のいる帰りたい家というのは、いつも穏やかなやわらかい光に包まれているように思います。
この作品がそんなあったかい場所を思い出してもらえるものになれば、幸いです。
作品名 オカメインコの庭
作者名 柳 早苗
設置場所 美原公園
作者コメント
1976年埼玉県に生まれた。両親は共働きだった。家の玄関の前には大きな松の木があった。その松の木には鳥カゴが下げてあり、中にはインコたちがいた。松の木の横には子供用の鉄棒があり、幼稚園から帰ると、いつもその鉄棒で遊びながら家族の帰りを待っていた。鉄棒で前回りの姿勢になって両腕をぐっと伸ばすと、ちょうど視線がインコたちと同じ高さになり、遠く遠くの方まで見通せるような気がした。
肌色の体は、瑠璃や紅などの綺麗な色に変わっていく。
幼少期の頃を思い返すといつもこのことが頭に浮かぶ。
共にすごしてくれたインコたちに感謝と敬意を払って。