三語便覧・五方通語(さんごびんらん ごほうつうご) 市指定有形文化財(書跡)

公開日 2017年05月02日

  • 指定年月日 昭和43年2月15日
  • 所在地 大田原市佐久山(那須与一伝承館寄託)
  • 所有者 個人
  • 員数 各3巻
  • 製作年代 江戸時代

 佐久山出身のフランス学者、村上英俊(えいしゅん)による辞書です。

 「三語便覧」は嘉永7年(1854)に発刊されました。ふりがな付きの一種の単語帳といえるもので、フランス語・英語・オランダ語の3カ国語3,375語を天文・地理・身体などの25部門に分類し、初めてフランス語と日本語を結んだものでした。

 「五方通語」は安政3年(1856)に発刊されました。日本語・英語・フランス語・オランダ語・ラテン語の5カ国語を集め、イロハ順に配列し、洋学者が洋文を書くための参考としたものです。

 村上英俊(義茂)は、文化8年(1811)4月8日、佐久山本陣を経営する傍ら、医師を業とする村上松園(しょうえん)の長男として生まれました。

 文政7年(1824)一家は江戸に移り、英俊は漢学・医学・蘭学を学んで、妹が嫁いだ縁で天保12年(1841)、信州松代に行き、弘化元年(1844)松代藩主真田家に仕えます。佐久間象山(しょうざん)の勧めで仏語を独習し、嘉永4年(1851)再び江戸に出て、明治元年(1868)仏学塾「達理堂」を開き、「仏語明要」「三国会話」「西洋史記」など多くの書を著しました。

 明治18年(1885)フランス大統領から、日本にフランス語学を創した功績に対して、レジョン・ド・ヌール勲章が贈られました。明治23年(1890)1月10日、80歳で亡くなりました。

  三語便覧

  五方通語

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