紙本墨画 竜に馬師皇図(しほんぼくが りゅうにばしこうず) 県指定有形文化財(絵画)

公開日 2017年02月10日

  • 指定年月日 昭和63年4月8日
  • 所在地 大田原市黒羽向町185 明王寺
  • 所有者 明王寺
  • 員数 1隻
  • 製作年代 江戸時代
  • 作者 小泉斐(こいずみあやる)
  • 大きさ 縦149.0センチメートル 横339.0センチメートル 六曲一隻屏風

 古代中国で馬の名医といわれた馬師皇が、仙術も身につけていたため竜の病も治療したという故事を描いた絵です。第6扇の左下部には、「臣小泉斐謹画」と記されています。

 第1扇から第3扇では、黒雲に乗った竜が雲間から頭を現した瞬間の凄絶な情景がよく捉えられています。眼光や髭(ひげ)が鋭く、頭の下には鋭い爪が大きく描かれ、凄絶な形相が倍加しています。第3・4扇では、渦巻く雲が淡墨で描かれ、画面に変化を見せています。ここから第6扇にかけて、竜の胴体や尾が描かれ、鱗の表現にも力強さが見られます。竜の胴体の前方には、雲に乗る馬師皇が微笑を浮かべ、片膝を立てて坐っており、鬚(あごひげ)や着衣が大きく横に靡(なび)いているところに、竜が起こした風の烈しさが感じられます。

 竜を描いて筆力逞(たくま)しく、風をはらむ黒雲の流動や人物の描写にも生気躍動しており、作者の力量が十分に発揮された大作ということができます。

 紙本墨画 竜に馬師皇図

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明王寺

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