那須野が原彫刻シンポジウムin大田原1998

公開日 2011年02月15日

 

 


作品名 Colony-循環するかたち-
作者名 鈴木 典生
設置場所 ふれあいの丘シャトーエスポワール
作者コメント
 石という素材は、時間、時代を封じ込め、そして生命を懐に抱いているものであると感じる。この素材に改めて生命感を与えようとした。
 一つの生命には様々な生命がつながり係わっている。互いに呼応しながら集合体を作り、そして世界を作っている。
 光を浴び、水を吸収し、生命が宿る。空気が満ち、流れて風が吹く。絶え間ない呼吸の音が聴える。
 あたりまえに過ごしてきた日々、そして過ごしていく日々に欠かせない、生命の源である自然の循環を表現した。
 この作品に触れ、循環の中に存在していることを感じてほしい。



作品名 Stone Works-天までとどけ-
作者名 福田 順忠
設置場所 ふれあいの丘シャトーエスポワール
作者コメント
 人の目線は身長によって多少異なってはいるが、150cm前後。いくら背伸びをしたり、ジャンプをしたとしてもたかだか170cmくらい。どんなに高くても2mまではいくまい。そうなると2m以上大きな物は仰ぎ見るという事になる。なにも2.7mの石を富士山を見るがごとくに仰ぎ見るという事ではないが、近ずいて見ると結果的にそうなる。その目線の行く先に天がある。石がやわらかい曲線を持って天に向かって昇る姿を見るには最低この高さは必要だ。以前、アンゼルム・キーファーの作品を見る機会があった。会場の角を曲がると壁いっぱいにそれはあった。重く暗く夜の間に倣然と立つ館。画面の下半分はその館が立っている地面ではなく、人間の業をのみ込んだ海の様だ。近くに寄るとその館は仰ぎ見る様になり、より大きく、重く我々にかぶさる。平面ではあるが仰ぎ見る事によって、この作品の持つ意味が明確になっている。作品の大きさは、ただ大きければ良いという事ではないが、近くに寄り、仰ぎ見る事によって、その先にある形に思いを廻らしてほしいのである。



作品名 イルカひこうき
作者名 福田 豊
設置場所 ふれあいの丘シャトーエスポワール
作者コメント
 朝、目ざめる時のまどろみの中に見える非現実的な光景に心地よさを感じ、いつまでもそこにいたいと思う感覚がある時間に追われ、日常に戻らなければならない厳しさ。大人になればなるほど、まどろみに留まることは許されない。それゆえ、より留まりたいとの思いが強くなる。現実に立ち向かわなければならないのは当り前のことだけれど、そこから少しだけ逃げ出したい気持ちも確かにある。切なくてノスタルジックな気持ちになる。その感覚をおしころして、日常に向かっていくのが正しいことなのかも知れないけど、甘ったれたひ弱な夢も必要だと思う。
 那須野が原彫刻シンポジウムに参加できることになり、今回の作品は自分のそれまでもっていた気持ちと、大田原という新しい環境の中で実際に制作しながら形を創り出した。



作品名 カオスの始まり
作者名 小渕 俊夫
設置場所 ふれあいの丘シャトーエスポワール
作者コメント
 生命の起源。地球の誕生・宇宙の始まり。そして「ビッグ・バン」以前。全ての始まりの渾沌世界。それはどんなものであったのだろうか。そして、それ以前は何であったのだろう。我々の智慧は、それをどこまで解明できるであろうか。我々のイメージは一体どこまで湖ることができるのか。
 宇宙のゆらぎとイメージの渾沌。そんなこんなを波紋様に表現してみました。ぼんやりと眺めながら、手足で撫でながら、または、上に乗ったり、寝ころんだりなどしながら、色々な事に思いを馳せる。そんな舞台になるような作品であったらいいな。と思い制作しました。作品を観る時間と同じ長さの時間、空を見上げてみてください。



作品名 やまねこ座
作者名 小高 藍
設置場所 大田原市役所東別館
作者コメント
 夜空の星の輝きは、実は何百年、何千年も昔に放たれた光です。そのようなものが私たちのもとへ届いてしまう宇宙という不思議な空間を眺めていると、心の端の汚れが洗い流されていくような気がしてしまいます。けれど星の光は、せっかく長い年月を経て地球の手前までやってきたのに、あとちょっとのところで、雲や街の灯りが邪魔したり、空気の汚れで輝くことのできない場合がほとんどです。
 天候が余り良くなかった今年の夏ですが、晴れた日の、大田原の澄んだ夜空は美しいものでした。千葉ではまるで出番のない四等星までが、ぼやけながらもがんばって光をちらちらさせている姿を見ることができました。



作品名 記憶された地・在から-地殻について-
作者名 大塚 道男
設置場所 ふれあいの丘シャトーエスポワール
作者コメント
 地球の皮膚とでもいうような地殻について考えてみた。
 宇宙は果てしなく美しい。地球も壮大で美しい。
 私は大地についてあまりにも無知であった。
 地・在ともいうべきことについて思いをはせる。
 記憶が蘇る。
 単純に隆起と沈降を、
 そして美しく儚ない(不的確な)一時を表現する作品が残った。

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