竹工芸(ちくこうげい) 国指定重要無形文化財

2017年3月14日

 「竹工芸」は、昭和57年(1982)4月20日に国の重要無形文化財に指定され、その技を高度に体得している者が「人間国宝」とよばれる重要無形文化財保持者として認定されています。竹工芸の保持者としては過去に4人認定されており、勝城蒼鳳氏は5人目、藤沼昇氏は6人目の認定です。
 我が国の竹工芸は、豊富な素材に恵まれて早くから発達し、日常の生活用具をはじめ、技術の進歩に伴い、高い芸術性を目指した優れた創作が行われるようになりました。竹工芸は芸術上特に価値が高く、工芸史上でも特に重要な地位を占めています。竹工芸の技法には、細く割った素材を編み組みして造形する「編組物(へんそもの)」と、円筒形のままの竹を用いる「丸竹物(まるたけもの)」などがあり、素材の美しさと強靭で弾力性に富む特質を活かした制作が行われています。

保持者 勝城一二(かつしろいちじ)(雅号・蒼鳳(そうほう))

  • 認定年月日 平成17年8月30日
  • 所在地 大田原市市野沢

 勝城氏は、昭和9年(1934)高林村(現那須塩原市)に生まれ、昭和24年(1949)に15歳で竹細工師菊地義伊氏に入門し、竹細工の技術を習得しました。その後、昭和40年(1965)以降、八木澤蒼玕(そうかん)(啓造)氏や斎藤文石氏の指導を受け、昭和43年(1968)には雅号蒼鳳を名乗り、竹細工から竹工芸の道へと踏み入ります。
 作品は日本伝統工芸展等に発表し受賞を重ね、昭和58年(1983)には第30回同展で「波千鳥編盛籃(なみちどりあみもりかご)『渓流』」が東京都知事賞受賞となり、後年東京国立近代美術館の収蔵品となりました。
 勝城氏は竹の選定に始まり素材の調整、編組、染色・拭漆(ふきうるし)仕上げ等にわたる幅広い竹工芸技法を高度に体得しており、丹念な編組や捻り、膨らみの量感と仕上げで独創的な作品世界を作り出しています。

  千筋曲線摺漆花籃「かげろう」

  制作中の勝城氏

 保持者 藤沼昇(ふじぬまのぼる)

  • 認定年月日 平成24年10月4日
  • 所在地 大田原市浅香

 藤沼氏は、昭和20年(1945)大田原市に生まれ、昭和51年(1976)から竹工芸作家・八木澤啓造氏に師事して伝統的な竹工芸の技法を習得した後、創作活動を活発に展開しながら更に研鑽を積み、竹工芸の技法及びその表現について研究を深めました。
 竹材の選定、素材の調製、編組、拭漆仕上げ等にわたる幅広い竹工芸技法を高度に体得しており、多様な編組技法を組み合わせて駆使します。伝統技法を踏まえながら独自の工夫を加え、精緻な網代編(あじろあみ)や繊細な束編(たばねあみ)などが作る端正な編み目や千筋(せんすじ)の透かしの効果を活かした制作を行うほか、自在な荒編なども手掛けています。同人が「気」をイメージした作品は、空間の広がりを内包したおおらかな造形と力強い意匠構成を特色とし、格調高く独創的な造形美が高く評価されています。
 日本伝統工芸展等で受賞を重ね、さらに紫綬褒章(しじゅほうしょう)を受けるなど高い評価を得ており、後進の指導・育成にも尽力しています。

 束編花籃「蓮」.jpg 束編花籃「蓮(れん)」

 竹工芸 藤沼.jpg 制作中の藤沼氏

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